独立総合研究所

教育科学部(準備室)

1.背景、そして志すもの

ありとあらゆる教育の本質は、その教育が育てた人材こそを見れば、把握できる。
国家の青春とも言うべき幕末期に雲と湧いた人材、それを育てたのは、江戸時代の寺子屋と藩校の教育であった。そこで育った坂本龍馬や高杉晋作をはじめとする草奔の志士たちが奇跡のように列強の干渉を抑えて、近代日本を造った。
その寺子屋や藩校の教育の最大の特徴は何か。
それは「縦」である。
年齢の違う子どもを「縦」に収容することによって、年上の子供が年下を愛しみ、年下の子供が年上を敬い、そして子供同士で育つことによって自立の精神を育むことができた。
戦後の日本では、江戸時代を鎖国に閉ざされた、ある種の野蛮の時代と解釈することが多い。それは、大いなる思い込み、間違いである。
教育をめぐっては、むしろ明治以降、西洋式に子どもを年齢で横に輪切りにする教育を行い、それが今日(こんにち)まで続いている。縦の教育で育った人材がまだ健在なうちは、日清戦争、日露戦争と勝つことができたが、その人材が去り、横の教育で育った人材だけになったとき、日本は建国以来、初めての敗戦を喫した。

もちろん現代の教育を江戸時代に戻すというのではない。
年齢別に「横」で教育する現在のシステムに、寺子屋式の「縦」を噛みあわせ効果をあげるのが、新しい志である。
世界では例えば、伝統と近代を融合させるフレッシュな国造りに取り組む湾岸諸国(GCC)を現地で調べると、GCCの指導的シンクタンクは、研究活動と併せて、子供たちから青年、成人層への教育事業をも遂行している。 国の礎は人材であり、人材は生涯にわたる教育がカギになるからだ。

近年、わが国の小学校では体験型授業の重要性をよく知り、実践している意欲的な試みがある。しかし重要な課題はある。
たとえば、有名私立中学への進学を望む父兄にも、その意義を充分に感じさせているかどうかである。受験勉強にもしっかり役立つ体験型授業でなければ、ほんとうには普及していかない。
一方、青年、成人層では「学び直す」という意欲が高まっている。
たとえば、青山繁晴・独立総合研究所(独研)社長・兼・首席研究員が大学で一年生を対象に一般教養課程で国際関係論を講義する際に、社会人や、他大学の特に大学院生が聴講に押し寄せている。
小学生から青年、成人層まで、これまでの学校教育だけでは学ぶことができない、実社会から発せられるコンテンツが求められているといえる。

2.事業の実際(計画段階)

わが国で現在行われている年齢別に輪切りにする「横」教育に、年齢差をむしろ活用する寺子屋式の「縦」教育を組み合わせる。
対象は、小学校入学前の子どもから、小学生、中高生、大学生、大学院生、そして青年・成人層まで、すべての年代に及ぶ。
独立総合研究所(独研)に教育科学部を立ち上げ、「現代に蘇る寺子屋教育」を合い言葉に、日本国民であるという自覚と、ひと任せにせず自ら国を担う意欲を持つ人材を育成することで、社会に貢献する。

【内容】

これまでに築いてきた独研の研究コンテンツを活用し、子どもの保護者、教員をも対象に、新たな教育のシステムづくり、教育の中身(コンテンツ)、新しい教育プログラムの練り上げ、運営を行う。
そして青山繁晴・独研社長(兼・首席研究員)、青山千春博士をはじめとする講師陣ネットワークを、教育現場へコーディネートする。
また、企業、NPO・団体などに対し、教育に関するサポートを行う。

(1)教育プログラム開発
  • 人文系、自然科学系双方に及び、受験にも繋がる体験型プログラムの開発と運営
  • 歴史、数学などテーマ別のプログラムの開発と運営
  • 教科書、副読本など教材開発
  • 寺子屋子ども塾、寺子屋青年塾、寺子屋成人塾などの運営
(2)サポート業務
  • 大学、研究機関の支援(広報体制の改革などを含む)
  • NPO、団体、企業の連携のコーディネート
  • 官庁、地方自治体、企業の人材育成支援
  • 独研の研究コンテンツ(データ、画像など)の人材育成への活用
【寺子屋四塾】(案の段階)
  • 寺子屋こども塾

    まず東京、大阪などで、教室となりうる一室を借りて、実施する。 年齢で輪切りにする西洋式教育を超えて、寺子屋の本質である『年齢の異なる子供が共に学ぶ』スタイル、すなわち『江戸式縦割り』により、年長の子供は幼い子供の面倒をみて、弱き者を慈しむこころが自然に培われ、幼い子供は、年長者を敬愛するこころが自然に培われる。

  • 寺子屋教師塾

    教師用の対策本が多く出版されているが、モンスターペアレントへの対策、学級崩壊が起きた場合の修復方法など、そのすべてが対症療法でしかない。
    モンスターペアレントも暴れる子供も、その出現の根本原因のひとつはむしろ教師にあることを明確にした教師再生を行う。

  • 寺子屋父母塾

    日本国の再生は、子供の再生からだと自覚する父と母を見いだし、寺子屋こども塾と連携して、家庭教育の再生を行う。

  • 寺子屋青年塾

    大学入学支援、就職支援も含めて、「主権者であること」、「日本再生の主役であること」などテーマ別に、青年の自己トレーニングを行う。青年とは、おのれの志に青雲のある者すべてを指す。

【ゲリラ寺子屋】
  • 出前授業

    例えば、独研(株式会社 独立総合研究所)が企画製作した、関西電力の移動式メタンハイドレートの燃焼実験セットやPR館(和歌山県日高港エネルギーパークで燃焼実験のパフォーマンスを実施している)と連携し、「出前授業」を実施する。
    一例として、独研の自然科学部では、以下のような専門知識に基づいた出前授業を実施し好評を得ている。
    中学1年国語(光村図書)に「クジラたちの声」というノンフィクションの文章がある。国語の学科として文章を分析するだけでなく、クジラやイルカの生の声を生徒に聞かせたり、クジラの声は南極から北極まで届くことやイルカが軍事的に利用されていることなどを具体的に示していくと、生徒たちは引き込まれて、眼が輝く。

  • 体験型授業

    文部科学省や多くの自治体は最近、「体験型の学習」すなわち手で触れたり実物を見たりするタイプの学習について、「教育上、明らかに大きな効果があり人格形成上も重要である」と判断し、教育に積極採用を始めている。
    地方自治体の例を挙げれば、和歌山県では、知事の発案により、平成20年度から「刺激教育」と銘打って体験型学習を授業に取り入れていく方針が既に定められている。
    体験型授業は、例えば、核家族や、かぎっ子で育った子供が、老人ホームで高齢者とかかわることで、高齢者を敬う心が養われ、また人間が老いることへの実感が体験できる。
    また例えば、理科でレンズのことを学ぶとき、天体望遠鏡を生徒に自ら制作させる。自分で作った望遠鏡をのぞいて、月のクレーターが見えたとき、その感激は、計り知れない。

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